ハプニング
チェリスト、スティーブン・イッサーリスのリサイタルを三鷹の芸術文化センター風のホールに聴きに行ってきました。席は前方2列目。オール・シューマンのプログラム。チェロだとか元はバイオリンのためにかかれた曲だとかいうことを超えて、表現の幅がめちゃくちゃ広い。正に自由自在。
容貌は写真よりもう少し円熟して髪型もオザワセイジ風。プログラムの紹介文も自分で書いているなど多才さやその中にユーモアも感じました。
こんなに世界的な演奏家の演奏を近所のホールで聴けるなんて、なんというぜいたく。
後半のプログラムでハプニング。
アダージョとアレグロ(op.70)のロマンチックなメロディーが始まったばかりのとき、バチンと音がして弦が切れた! イッサーリスは金属でなくガット弦を使うことで有名だそうですが、それだけデリケートなのでしょうか。外は冷たい雨の降る天気でしたが、そういうことも関係あったかどうか。
ここでロジャー・フェデラーならニッコリ笑ってベンチから張りあがりの新しいラケットを出してくればすむところ、なにせ世界にひとつしかない1730年フォイアマン・ストラディバリウス、そういうわけにもいかず。
伴奏者と譜めくりストと揃ってお辞儀をして、いったんソデに下がる。
観客、「いいよ、気にしないで!」という拍手で送る。
スタッフが出てきて「弦を張り替えますので少々お待ちを…」と説明、待つこと約10分、再び登場。一段と大きな拍手。
巨匠がちょっと肩をすくめる仕草に会場から笑い。そして、もう一度初めから演奏……
めずらしいシーンを見てしまいました。
「弦が切れるハプニングといえば五嶋みどりさん…」
というコメントをmixiでもらいました。1986年、14才でタングルウッド音楽祭でのデビュー。指揮はあのバーンスタイン。一曲の中で一度ならず二度も弦が切れたのに、すかさずコンサートマスター(二度目はサブマスター)の楽器(しかもサイズが違う!)を借りてみごと弾き通したのが「伝説」らしいです。
.... her now-legendary debut at Tanglewood with the Boston Symphony Orchestra, Leonard Bernstein conducting. The work was Bernstein's Serenade after Plato's 'Symposium' for Solo Violin, String Orchestra, Harp and Percussion. In the fifth movement, Midori broke the E string and was quickly passed the violin of the concertmaster, continuing to play without missing a beat.GIRL, 14, CONQUERS TANGLEWOOD WITH 3 VIOLINS (14才の少女、バイオリン3本でタングルウッドを征服) [NYTimes July 28, 1986, Monday Section A, Page 1] (有料)
When the unthinkable happened again and she broke the E string on the concertmaster's fiddle, she took the violin of the associate concertmaster.
Both borrowed instruments were different in size - and both were larger than her own instrument - yet Midori was unfazed.
When she came to the end, the audience and the orchestra erupted in applause and Bernstein fell to his knees. [....バーンスタインはみどりの前にひざまずいた。]
The following day, the front page of The New York Times read, "Girl, 14, Conquers Tanglewood with 3 Violins."
[五嶋みどり公式サイト(英語版)biography]
この記事の中では Mi Dori, Miss Dori と書かれていて、検索で探すのに苦労しました。Mi がファーストネーム、Dori が名字だと思われていたみたいです。
コメント(6)| この記事のリンク
| ■ あれまあ | |
| 僕も聴いてました。 S席の右側の最後尾にいました。 かなり満席に近い入りでしたね。 とても良い音でした。 アンコールもシューマンかと思ってたらフォーレでしたね! | |
| かわせみ (2006-11-20 10:10:01) |
| ■ おや、かわせみさんも | |
| いらしたんですか。 お互い貴重な演奏を聴けましたよね。入りもよかったし、あのホールの木の雰囲気がチェロの音にも合ってよかったですよね。 | |
| yoshi (2006-11-20 20:00:34) |
| ■ 有るのですね〜! | |
| 間近に素晴らしいチェロの演奏を聴いたことが無いので羨ましいです。 表現の幅が広い曲だと体の動きも大きいのでしょうね。 それにしても弦がコンサートで切れたなんて観客側は貴重な演奏会でしたね。 | |
| こも (2006-11-21 09:51:51) |
| ■ 生の演奏 | |
| こもさん、どうも。間近で見るといろいろ勉強になりましたよ〜。氏が足を踏み鳴らしたり、指板をたたく指の音も聞こえたりしました。 | |
| yoshi (2006-11-21 12:08:25) |
| ■ 私も見たことがあります | |
| 昔のことですが 結婚してすぐのころ ギターのコンサートでした あわてる事もなく いったん下がり 堂々と弾き終えました うん十年も前のことですが しっかり覚えています 昨日ふと見ると リンクに載っていました ありがとうございます(o~-~o) ヨチヨチ歩きですが とても励みになります〜♪ 練習サボらないようにしないと・・・ | |
| yu-koi (2006-11-23 15:58:21) |
| ■ ギター | |
| あー、あるでしょうねえ、ギターも。 6本もあるんだし、ガットでしょうし。 リンク、加えさせて頂きました。ときどき巡回させて頂いてまーす。 | |
| yoshi (2006-11-23 17:26:11) |
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